日常
質屋とリサイクルショップの違いは?質屋のシステムをご紹介
2024.1.29
近年注目を集めるリユース業界は、フリマアプリの拡大やリサイクルショップの増加により、年々増加傾向にあります。
「リサイクル通信」が行った調査では、2022年のリユース市場規模は2兆8,976億円と、調査を開始から毎年増加を続け、今後もさらに拡大していくと言われています。
フリマアプリ・リサイクルショップと比較して、質屋は年々と少なくなってきています。
質屋は店舗数も年々減ってきていることから、実際に入ったことがない・利用したことがないという人も多いと思います。
質屋ってどんなお店なのかリサイクルショップと比較をしながら紹介していきたいと思います。
1. 質屋ってどんなところ?
質屋はなんとなくはわかるけど、実際細かく知っている方は多くないと思いますので、まずは質屋をご紹介
質屋の始まりは今から700年以上前の鎌倉時代!
貨幣経済の発展と同時に質屋が始まり、その当時は「土倉(とくら)」と言われていましたが、発展とともに江戸時代には「質屋」と呼ばれるようになりました。
質屋の業務は「質預かり」という借主の品物を担保に、お金を貸し付けをするシステムです。
「質預かり」の期限は基本3ヶ月までとなっており、この期限までに「貸付金(借りたお金)+利息=返済金額」を払い戻すと、品物が返却となります。
利息はお店や貸付金にもよりますが、1〜7%が一般的です。
「質預かり」は品物があれば誰でもご利用でき、複雑な審査もなく短時間で融資・貸付を受けることができます。
「お金が必要だけど大事な品物は手放したくない」という場合に便利で、多くの方に利用されていました。
融資金額を返却できない場合、または品物は不要となった場合などに、返済をしなかった場合の預けた品は質屋のものとなります。
そうした返済金額が支払われなかったことを「質流れ」と呼びます。
「質預かり」システムにより、順調に規模を拡大し続けていた質屋業界ですが、
1970年代には、担保無しで融資を行う消費者金融の普及により減退。
さらに近年ではフリマアプリやリユース店舗の増加により、厳しい状況になっています。
減退の理由はリユース市場の成長以外にも、質屋は「古臭い」「雰囲気が怖い」といったネガティブイメージにより入店しにくいこと、質屋店主の高齢化や、後継者不足などによる閉店も挙げられます。
2. リサイクルショップと質屋の違いを比較
質屋 | リサイクルショップ | |
---|---|---|
業態 | 質預かり 買取 |
買取 |
営業資格 | 免許不要(買取する場合は必要) 質屋営業法をのとった許可申請が必要 |
「古物商許可証」が必要 古物営業法により、事業として中古品の売買を行う場合は、個人や法人にかかわらず取得 |
品物の所有権 | 質預かり(お客様) 買取(お店) |
買取(お店) |
本人確認 | 必要 | 必要 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
メリット | 審査なしでお金を借りられる 払えなくても、取立のリスクがない |
出張買取・宅配買取など自宅で買取可能 店頭への持ち込みも可 |
デメリット | 質屋へ品物の持ち込みが必要 質預かりの場合は利息がかかる | 手元へ品物を戻すことができない |
3. まとめ
これまでで質屋とリサイクルショップのそれぞれの特徴についてまとめました。
利用する方や用途のより異なりますが、それぞれの特性として大きくまとめると以下のような考え方もできるのかと思います。
質預かりは「どうしてもお金が必要」という場合で、お金を工面するために利用。
そして、まとまったお金を工面するためには、貴金属、時計、ブランド品などある程度高額の品物が必要。
【リサイクルショップ】
「不要になったものを売りたい」、「捨てるのがもったいない」など断捨離や処分・エコロジー目的の場合に便利。
ブランド品に限らず、ノーブランドのお洋服や食器、香水、雑多なものを手放すのに利用。
多くの質屋・買取店がある中で、取扱品目の違いやブランド品や時計に強いお店などそれぞれ特色があります。
今ではLINEやメールで事前に見積もりができる店舗も多いので、色々調べて利用をしてみましょう。